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執筆者の写真cinemago

『東京自転車節』の内覧初号試写会

青柳拓監督の最新作『東京自転車節』ついに完成!



2020年3月、新型コロナウイルス感染症COVID‑19が世界的にパンデミックとなった。その後、東京では緊急事態宣言が発令、街中の人影はまばらになっていった。


外出の自粛を余儀なくされた東京都民は、ウーバーイーツによる出前や、宅配で飲食のデリバリーを頼むことが一般化する。


そんな東京の街を、唯一駆け回っていたのは自転車配達員たちであった。


山梨県で代行運転の仕事が無くなってしまった青柳拓監督は、コロナ禍で働き口がない故郷を離れる事を決意します。


それは過重債務の奨学金750万円の返済があったからです。家族から心配や止めることも聞かず、おばあちゃんが縫ってくれたマスクを着けて、一路東京へ向かった…。




ドキュメンタリー映画『東京自転車節』は、“新しい日常”によって、注目されてきた自転車配達員の仕事の日常を通して、今を生きる若者の姿を自ら体現した作品です。


青柳監督が学歴を手にするのに掛かった価格は550万円。その高利貸し利率で200万円上乗せされ、すっかり低所得者になっていた彼にとっての“新しい日常”とは何か?



学歴と借金。


労働と仲間。


そして、映画とじぶん。


これらは、いかなる融合を見せるのか?



それとも青柳拓監督には、現金もない低所得者ゆえに何も手にはできないのか?




2017年、青柳監督は、卒業制作として完成させた映画『ひいくんのあるく町』をポレポレ東中野にて劇場公開した。



青柳監督は本作『東京自転車節』で、あの、ひいくんと同様に誰もいない街を彷徨った。




それは“ひいくん”になることでもあり、内省する行為そのもの。


『東京自転車節』は、『続・ひいくんのあるく町』であり、青柳監督が自転車を漕ぎながらひいくんと自身の身体を融合されるものだった。



誰もいなくなった町(街)に彷徨い、他人の人肌の温かさをパトロールする2人は、正義のヒーローなのだ。



ドキュメンタリー映画『東京自転車節』は、2021年6月下旬よりポレポレ東中野にて順次公開!



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