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イントロダクション

『現実』が現実を侵食していく

 2011年3月11日──あの日、私たちは「ついに来た」と思ったものだ。燃えさかる気仙沼を見ながら、原発のメルトダウンの報道におびえながら。そして、生き延びたのなら変わろうと思った。変わらなくては、死んだ人たちに顔向けできないじゃないか。あれから9年の月日がたち、まるで夢でも見たかのように、私たちはあの日の気持ちを頭の片隅に追いやって生活しています。主人公の春樹はそんな私たちの一人です。春樹はひょんな事から、被災して死んだと思っていた元恋人が「生きているかも」との怪情報を得て、横須賀へと向かいます。その旅はあの日の気持ちを思い出す旅でした──​

 

 春樹役に『恋の罪』『こっぱみじん』『走れ、絶望に追いつかれない速さで』などで注目を集めた小林竜樹を迎え、共演者にインディーズ映画から『シンゴジラ』といった大作、『anone』などの TV ドラマまで幅広く活躍する川瀨陽太、友情出演に烏丸せつ子、昨年、映画界を盛り上げた『カメラを止めるな』の長屋和彰らが脇を固める。監督・脚本は劇場公開作品としては長編デビューとなる大塚信一。普段はラーメン屋で働きながら本作を5年かけて完成させた。

横須賀綺譚
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ストーリー

幽霊に会いに行く…

 春樹と知華子は結婚を目前にしていた恋人同士だったが、突如、福島に住む知華子の父が倒れたことをきっかけに、ひとり娘の介護の手助けが必要になります。春樹と知華子は仕方なしに別れること決意します。それは春樹が知華子との生活と東京での仕事を天秤にかけ、仕事のほうを選択した結果でした。

 

 ──その後、東日本大震災が起こり、9年の時間が過ぎます。

 

 春樹は被災により亡くなったと思われていた知華子が「生きているかもしれない」ということを知人から知らされ、半信半疑のまま、知華子がいるという横須賀へと向かうのだが…。

 

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大塚信一監督プロフィール

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 1980年生まれ、長崎県出身。日本大学文理学部哲学科卒業。映画監督・長谷川和彦に師事。飲食店で働きながら『連合赤軍』のシナリオ作りを手伝い、『いつか読書する日』(2005/緒方明)などの現場に制作として散発的に参加。

 

その後、映画の現場からは離れ、ラーメン屋での勤務で生計を立てながら、自主映画制作に取り組む。本作は「子供が生まれる前の最後の挑戦」として、短編を一本撮ろうと準備を始めた企画だが、いつしか長編となり、製作期間に5年を費やし、『横須賀綺譚』を完成。カナザワ映画祭2019にて期待の新人監督賞に正式エントリー。2020年には、網走映画祭「第2回映画コンペティション」入賞。2021年、中国で開催された第8回重慶青年映画祭に招待。

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応援コメント

蓮實重彦(映画評論家)

 この新人監督の第一作は大変な意欲作だが、ショットの連鎖ではなく台詞によって語られている点で、秀作とはいいがたい。ただ、すべてを九十分に仕上げているところは、高い評価に値する。

小野寺系(評論家)

 日常が破壊される容赦ない現実は幻想のようであり、同時に失われた日常もまた幻想だったと思えてくる。そんなあてにならぬ世界で、たしかなものをつかみたいという願いを感じる作品。

 

切通理作(評論家)

 その問題提起や壮といえる映画であることは間違いない。

佐藤佐吉(脚本家)

 異様な肌触りの面白さだった。真正面から題材と向き合いつつジャンルを越えエンターテイメントとして昇華させるには相当な勇気とセンスが求められるが監督の大塚信一はそれを見事にクリアしていた。次はどう来るのかとても楽しみだ。

 

折田 侑駿(文筆業)

 「記憶」というものに多角的な視点で挑んだ本作から読み取ることができる数々の示唆的な設定やセリフ──〈メッセージ〉──は、いま、さまざまな現実に直面している一人ひとりが、それぞれの受け取り方をすることができると思う。この環境下にこそ公開される意義や必然性を、強く感じる。

森義隆(監督)

 嫌な映画だ。何でも都合良く忘れてできるだけ楽に生きようとする、​私たち自身の惰性を直視させられる。

佐々木俊尚(ジャーナリスト)

 記憶と忘却という軸線に、当事者と非当事者というもうひとつの軸線が重なり、それぞれの登場人物思いが強く浮かび上がる傑作。

横須賀綺譚
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キャスト

小林竜樹
しじみ
川瀬陽太

小林竜樹(戸田春樹 役)

1989年生まれ。神奈川県出身。2011年、園子温監督作品『恋の罪』で映画初出演。その後、映画、TV、舞台、CMなど幅広く出演。最近の主な出演作品は、映画『走れ、絶望に追いつかれない速さで』(中川龍太郎監督/2016)、『愚行録』(石川慶監督/2017)、『菊とギロチン』(瀬々敬久監督/2018)、『真っ赤な星』(井樫彩監督/2018)など。

 

 

しじみ​(藪内知華子 役)

1983年生まれ。島根県出身。2011年今泉力哉監督作品『終わってる』でヒロインを務める。映画、舞台で幅広く活躍している。最近の出演作は映画は『Motherhood』『ドスえもん』『クレマチスの窓辺』、舞台は『水素74% 』『トリコロールケーキ』『東葛スポーツ』など。​

 

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川瀨陽太​(川島拓 役)

1969年生まれ。札幌市出身。自主映画の助監督を経て、福居ショウジン監督『RUBBER'S LOVER』にて俳優に転身。その後、瀬々敬久監督と出会い、数多くのピンク映画に出演。以降、成人映画、Vシネマ、自主映画、一般映画、テレビと幅広く活躍。主な出演作に『シン・ゴジラ』(2016)『バンコクナイツ』(2017)『菊とギロチン』(2018)『天然生活』(2019)『月夜釜合戦』(2019)『AI崩壊』(2020)など。

 

​​長内美那子​(静 役)

​​1939年生まれ。青森県出身。劇団青年座を経て、1964年『生きている狼』で映画初出演。以後『昼帯の女王』と呼ばれ、映画、テレビ、舞台と幅広く活躍している。朗読劇「夏の雲は忘れない」をライフワークとしている。

烏丸せつこ​(陽子 役)

1955年生まれ。滋賀県出身。1979年、クラリオンガールに選ばれ芸能界デビュー。1980年に『海潮音』(橋浦方人監督)で女優活動を開始、東陽一監督の『四季・奈津子』(1980)で初主演を飾り、日本アカデミー賞新人賞、ゴールデンアロー賞新人賞を受賞。『駅 STATION』(降旗康男監督/1981)では日本アカデミー賞助演女優賞に輝く。その他の出演作に『松ヶ根乱射事件』(山下敦弘監督/2006)、『64- ロクヨン-』(瀬々敬久監督/2016)など。

 

湯舟すぴか​(田中絵里 役)

1986年生まれ。宮崎県出身。社会人を経て、2012年頃から映像で活動。 フリーながら、自主映画から商業映画まで幅広く出演。 主な出演作に映画『トータスの旅』(永山正史監督/2016)、『ナミヤ雑貨店の奇跡』(廣木隆一監督/2017)、『真っ赤な星』(井樫彩監督/2018)、『マンドリンの女』(白石和彌監督/2019)、『SHELL and JOINT』(平林勇監督/2020)、ドラマ『火花』など。

 

長屋和彰​(梅田 役)

1987年生まれ。東京都出身。空前の大ヒットを果たした『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督/2018)に出演。映画やドラマ、舞台等、幅広く活動している。近年の出演作に映画『わたしは光をにぎっている』(中川龍太郎監督/2019)、『ホットギミック ガールミーツボーイ』(山戸結希監督/2019)、短編映画『あるいは、とても小さな戦争の音』(村口知巳監督/2018)、ドラマ『フルーツ宅配便』(沖田修一監督/2019)など。

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劇場情報

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東京都

 K's Cinema  終了      

 UPLINK渋谷  終了                        

 下高井戸シネマ 終了

 新文芸坐 終了  

神奈川県

 横浜シネマリン 終了        

福島県

 フォーラム福島 終了  

   

栃木県

 小山シネマロブレ 終了       

 群馬県

 前橋シネマハウス 終了   

愛知県

 シネマスコーレ 終了

長野県

 松本シネマセレクト 終了

新潟県 

 シネ・ウインド 終了

大阪府

 シアターセブン 終了

京都府

 京都みなみ会館 終了


兵庫県

 元町映画館 終了

岡山県

 シネマ・クレール 終了

広島県

 横川シネマ 終了

【スタッフ】
​録音・整音:小林徹哉

​撮影・照明:飯岡聖英

監督補:上田慎一郎

 

助監督:小関裕次郎、植田浩行

制作:吉田幸之助

撮影助手:岡村浩代、榮穣

メイク:大貫茉央

美術応援:広瀬寛己 

監督・脚本:大塚信一

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