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執筆者の写真cinemago

映画『海洋動物:IN SEARCH OF ECHO(英題)』

更新日:2022年11月15日

中国発の新鋭 張弛監督の第1回長編作品『海洋動物』



映画『海洋動物 IN SEARCH OF ECHO

Festival & Award



映画『海洋動物 IN SEARCH OF ECHO 』のあらすじ


俳優である朱(チュー)は映画に出演する配役に強い拘りが持ち、選んで仕事を決めたいと妻に告げるのだが、思うようなチャンスの作品に恵まれない。


妻から“連続殺人鬼”役のオファーを勧められるも、同様な役柄ばかりの依頼に納得しない朱は、フェリーに乗船して旅に出る。


目的地は仲違いばかりとなった妻と初めて出会った“妻の故郷の島”。しかし、訪れた島はオフシーズンで観光客の姿はなく、朱は俳優の傍ら趣味で嗜む写真機を手に彷徨い歩く。


やがて彼は、かつての妻の面影を探すうちに、謎めいた“3人の女たち”と出会う。


安宿の女将からは宿泊を勧められ、また学校に通う女教師の可憐さに惹かれもします。


そして島唯一の社交場であるダンスクラブに向かうと、魅惑的な女主人マンディと恋に落ちる。朱は徒然なまでの奇妙な時を過ごすが、一方で“彼が探し続ける妻の姿”はどこにもいない...。



映画『海洋動物 IN SEARCH OF ECHO 』の作品情報


【製作】張凌峰 (ZHANG Lingfeng)

【監督・脚本】張弛(ZHANG Chi) 【共同脚本】吴必优(WU Biyou) 【撮影監督】方一(FANG Yi)

【編集】徐达多(XU Daduo)

【美術】彭波(PENG Bo) 【視覚効果】刘尧(LIU Yao) 【録音・音響】罗俊(LUO Jun) 【音楽】赵浩海(ZHAO Haohai)

【キャスト】朱洪洋(ZHU Hongyang )


【日本語字幕】本多由枝

【配給】Cinemago



映画『海洋動物 IN SEARCH OF ECHO 』の作品概要


張弛監督は演劇や舞台美術に独自な手腕を見せ、CMディレクターの仕事に従事。


その後、2018年に第1回長編映画『海洋動物』を完成、第41回モスクワ国際映画祭にて、特別審査員賞「シルバー・ジョージ」を受賞。また、ポーランドで開かれる国際映画祭・映画芸術エネルガカメラ映像2018では、撮影監督の方一が撮影監督によるデビューコンペティションに選出。そのほか、イスタンブール国際インディペンデント映画祭2018では、シヤド賞を受賞。


スリラー要素のあるシノプシスを撮影と美術による美しさを用いて具体化させ、編集によるストーリーテリングは映画的な手法を存分に駆使しながら、「現実、夢、記憶」に基づいた構造的な確立を見せる特徴を持たせました。劇中に登場する故郷を想う李白の詩や、テネシー・ウィルアムズの『ガラスの動物園』のモチーフなど、追憶的な出来事を強く意識した仕上がりの作風である。


島民の営み、海と漁師の関係、そして、海洋生物らの死生観のメタファーにより、映画は迷宮的かつ、ロマンチックな錯覚を観客に与える。主演を務めた朱洪洋の演技力によって、内声対話の告白と、登場人物のメタ構造を結実さは唯一無二な作品へと昇華されている。



《作品データ》

中国 / 2018年/ カラー・ステレオ/ DCP / 112分 /スリラー

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